重度の骨吸収に対して,骨代謝を調節する因子の探索に基づく新たな治療法の開発は重要な課題である。本研究では,神経伝達物質であるグルタミン酸が骨代謝を調節する作用を有することをに着目し,AMPAグルタミン酸レセプターと結合するPICK1をターゲットとして研究を行った。 PICK1の高発現は破骨細胞前駆細胞の破骨細胞分化を有意に促進し,PICK1のPDZドメイン結合阻害薬は破骨細胞分化を有意に抑制した。一方で,PICK1の高発現およびは骨芽細胞前駆細胞の骨芽細胞分化に影響を与えなかった。 以上のことから,PICK1は骨芽細胞分化に影響せず,破骨細胞分化を調整できることが示唆される。
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