研究課題
本研究課題は、介護予防教室の終了後、運動日誌を用いたセルフモニタリングや支援者からのメッセージ等、運動継続を促す郵送支援法により、その後2年間の長期的な運動継続が高齢者の筋質および筋内脂肪に及ぼす影響を長期ランダム化比較試験により検討することを目的としている。平成27年度には、本研究課題を遂行するため下記の活動をおこなった。(1)運動教室の運営:参加者全員が1回90分,週1回,12回の運動教室に参加した。教室での運動プログラムは、準備運動、レクリエーション、主運動(筋力運動とウォーキング)、整理運動で構成した。主運動は、参加者の体力レベルに応じて漸増的に負荷を高めた。また、自宅での運動の習慣化を目指すために、1年分の運動日誌を参加者に配布している。自宅での運動プログラムは、運動教室で実践した運動(筋力運動、ウォーキング)とし、その他に主体的に実践した運動を記録するよう促した。(2)ランダム割付:3ヵ月間の運動教室終了後に自己管理群、運動継続支援群の2群にランダムに割り付けた。今後は、運動継続支援群に12ヵ月間の郵送法による運動継続支援をする。(3)運動継続群:運動継続の郵送支援期1年と自己管理期1年、総計2年間の運動継続率を調査する。平成27年度は運動継続の郵送支援期であり、歩数計と運動日誌を配布し、参加者は運動実践状況を記録した運動日誌を毎月郵送し、支援者は簡単なフィードバックメッセージを記入して郵送した。教室終了直後には参加者が運動継続に対する不安を経験するため、運動新聞を同封し、不安の解消や自主的な運動継続への動機づけを図っていた。(4)自己管理群:自己管理期に入り、各自で2年間運動継続をする。平成27年度の1年目には,3ヵ月目、6ヵ月目、9ヵ月目にあいさつと健康情報(睡眠、食事、メンタルヘルス)のみを掲載した健康新聞を自己管理群に郵送した。
2: おおむね順調に進展している
27年度計画していた運動教室の運営と教室終了後の1年間の郵送支援を研究計画通り、運動継続群に運動実践状況を記録してもらい、簡単なフィードバックメッセージを記入し、不安の解消や自主的な運動継続への動機づけとして毎月郵送支援を実践したため。
(1)運動継続群:運動継続の郵送支援期1年と自己管理期1年、総計2年間の運動継続率を調査する。平成28年度は自己管理期であり、歩数計と運動日誌を利用し、各自で運動継続をするよう伝えるが、支援者からのフィードバックや運動新聞の郵送はおこなわない。自発的な自主グループの結成やスポーツクラブに加入を妨げないが、そのことは日誌に記録してもらう。(2)自己管理群:平成27年度と同じで、各自で1年間運動継続をする。健康新聞の郵送はおこなわない。(3)各検討課題の遂行:①課題1「長期間の運動継続が高齢者の筋質および筋内脂肪に及ぼす効果の検討」ー65歳以上の地域在住高齢者を対象に、2年間の追跡による長期ランダム化比較試験により、自己管理群および運動継続支援群の筋機能および筋活動への持続効果を検証する。②課題2「高齢者の筋質および筋内脂肪の改善に向けた運動量の検討」ー「長期間の運動継続が高齢者の筋質および筋内脂肪に及ぼす効果の検討」より収集された結果をもとに、筋質および筋内脂肪を効果的に改善させるための運動時間(分/週)、運動量(METs/週)、継続期間(年)の有用性を検討する。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 3件)
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