本研究では、次世代の高周波パワーデバイスとして着目されている、窒化物半導体を用いた電子デバイスの高性能化を行った。結晶成長技術の向上に伴って転位密度が低減してきたが、点欠陥については十分に研究されていない。特に点欠陥の影響が大きいp型GaN層とAlN層を用いて、点欠陥と電気的特性の関係を調べた。 (i)p型GaNを窒素過剰条件かつ低温で結晶成長することで、世界最高の正孔濃度が得られた。本成果は、p型GaN電極界面の電流輸送機構の解明に繋がった。 (ii)Siイオンを注入したAlNに1500度の熱処理を行うと、n型電導性を示した。本試料を用いて、AlN電界効果トランジスタを世界で初めて動作させた。
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