研究課題/領域番号 |
15H06075
|
研究機関 | 筑波技術大学 |
研究代表者 |
脇中 起余子 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 准教授 (30757547)
|
研究期間 (年度) |
2015-08-28 – 2017-03-31
|
キーワード | 助詞検定 / 格助詞 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、助詞のうち格助詞に焦点をあてて、場所、時間、主体、授受・受け身・使役、対象、手段・原因・状態、格助詞の「と」、「が」と「は」の8つに分けて、約520問作成した。それを、国語科教員免許を所持する4名と聾学校経験が長い1名、計5名の研究協力者(いずれも聴覚障害教育経験が豊富である)に渡し、問題と答えの妥当性に関する意見を求めた。 5名の協力者と1~2回のやりとりを行った結果、3対2の意見に分かれた問題は、問題案を作り直した。4対1の意見に分かれたもの(かつ、実施責任者ともう1名の意見を加味すると6対1になるもの)については、そのままとすることを原則とした。4対1の「1」になった問題数の割合は、5名の協力者のいずれも1~4%の範囲であった。 520問のうち、約2%の問題を削除、約1%の問題で答えの範囲を変更、約10%の問題で「複数回答可」と「最も適切な答えを1つだけ選べ」のどちらにするかを変更、約8%の問題で問題文や答えの微修正、約5%の問題をかなり変更、残りの72%は変更なし、という結果になった。 「かなり変更」となった約5%の問題については、再度作成した問題案を平成28年度に再提案し、5名の協力者に引き続き意見を求める予定である。 並行して、ネットで助詞の問題に取り組み、答えを打ち込んだ後クリックすると自動的に成績や答えが出る問題(プログラム)を作成し、研究協力者の1名(パソコンにあまり使い慣れていない人)に意見を求めた。CDに収めるか、ネット上で使えるようにするかを、平成28年度に検討する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
助詞検定の問題は、大学の「日本語表現法」という講義で実施し、学生から「自分は今まで『9時までする』と『9時までにする』は同じだと思っていた」などの感想を得ているが、平成27年度の分については、学生および保護者の同意書を得ていないため結果は今回の論文では用いない。 また、聴覚障害のない大学生にも実施することを考えたが、それよりも、国語科教員を含む5名の研究協力者に意見を細かく求めることによって、問題をていねいに作成する方が良いと判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、副助詞・接続助詞。接続詞に関して、問題を、「並立・添加」、「比較・程度」、「限定・強調」、「順接・継起」、「逆接」、「言い換え・転換」の6つに分け、問題を作成し、5名の研究協力者に意見を求める。 大学では、昨年度と同様に講義の一環として取り組み、学生に返す予定であるが、今後学生と保護者に同意書署名をお願いし、同意書が得られた学生のデータに限定して正答率などをまとめる。 また、助詞検定の問題を広く使っていただけるよう、CDに収めるかネット上で公開するかなどの方法を検討する。
|