本研究の目的は、経口摂取を望む終末期高齢者と家族を支援する訪問看護師の価値観と看護実践の変容過程を明らかにすることである。はじめに、近年の終末期高齢者・家族の経口摂取を取り巻く状況についての文献レビュー等で情報を収集・整理し、それらを基にインタビューガイドを作成した。経口摂取を望む終末期高齢者と家族への看護実践経験のある訪問看護師にインタビュー調査を行い、訪問看護師は、終末期高齢者と家族の経口摂取の価値観が揺れ動き、変化するあり様に寄り添うなかで、自身の経口摂取に関する価値観をも変容させ、両者の意思やQOLを尊重した支援へと看護実践を転換していたことを明らかにした。
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