本研究は,日本の南鳥島周辺の排他的経済水域 (EEZ) で近年発見され,新規レアアース資源として有望視されている「超高濃度レアアース泥」の生成機構を解明することを目的とする.本研究では,平成27年度までに南鳥島EEZ内で採取された深海堆積物1192試料 (うち本研究による新規データ625試料) の多元素組成データセットを構築し,独立成分分析による多変量解析を実施した.その結果,南鳥島EEZの深海堆積物の化学組成は,5つの独立な成分から構成されることが分かった.それらの深度方向変化の特徴から,超高濃度レアアース泥の生成には,底層流の強化による堆積層の削剥が密接に関連している可能性が示唆された.
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