骨髄由来細胞における転写因子Fli1の恒常的発現低下は骨髄由来細胞、特に骨髄由来間葉系細胞の表現型に異常をもたらし、脈管形成において新生血管の安定性に障害をもたらす。さらに、pericyte lossと呼ばれる血管壁細胞の機能不全にみられる血管構造の不安定化が骨髄由来細胞特異的Fli1欠失マウス皮膚血管に見られることが明らかになった。そしてpericyte lossに見られる特徴的な血管障害である血管構成細胞の増殖による増殖性血管障害や血管構造の消退による破壊性血管障害が同マウス皮膚血管に経時的に見られた。これらの異常はエンドセリン受容体拮抗薬であるボセンタンの投与により改善が見られた。
|