全身性強皮症は皮膚、内臓諸臓器などの線維化、血管系の異常、および自己に対する免疫応答をはじめとする免疫の異常、を特徴とする膠原病である。本疾患の病態の根本的なメカニズムは明らかになっていないが、遺伝子発現を制御する分子である転写因子の一種、Fli1の発現の異常と、全身性強皮症の関連が過去の研究から明らかになってきている。今回我々は、Fli1の発現異常が全身性強皮症の免疫異常、特に自然免疫系の異常に対して何らかの寄与を果たしているのかを明らかとすることを目的として研究を開始し、今回の検討によってそのメカニズムの一部が明らかとなった。
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