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2015 年度 実績報告書

統合失調症早期段階におけるγオシレーション減弱のメカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 15H06166
研究機関東京大学

研究代表者

多田 真理子  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (70758193)

研究期間 (年度) 2015-08-28 – 2017-03-31
キーワード統合失調症 / 脳波 / ガンマオシレーション
研究実績の概要

平成27年度は、健常者、統合失調症の早期段階が疑われるリスク期の患者、初回エピソード統合失調症の患者で、聴性定常反応(ASSR)課題中の脳波を測定した。採用した測定プロトコルは、先行研究で慢性期統合失調症患者でもガンマ(γ)オシレーション異常がみられることが繰り返し確認されており、申請者の先行研究でも妥当性が確認されたものである(Tada et al., Cereb Cortex. 2016)。これまでに健常者31名、リスク期の患者28名、初回エピソード統合失調症を含む発病3年以内の患者23名の脳波測定と解析を終了した。

課題中のγオシレーションである40Hz刺激条件中のASSRと、課題前のベースラインのγオシレーションの変化を調べ、関連を検討したところ、リスク期の患者と統合失調症の患者で、ASSRの低下およびベースラインのγオシレーションの増加を認めた。またASSRの低下している患者ほど、ベースラインのγオシレーションは増加していたことが明らかとなった。本研究の成果は第11回日本統合失調症学会において報告した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り、平成27年度に聴性定常反応課題中の脳波測定を行い、課題中と課題前のガンマオシレーションの特徴の違いと相互関係についての解析を行った。これまでに健常者31名、リスク期の患者28名、初回エピソード統合失調症を含む発病3年以内の患者23名の脳波測定と解析を終了している。安静時の脳波測定開始の準備をすすめている。さらに、参加者リクルート数を増やすため、当院との共同研究の実績のある外部協力施設からのリクルートの準備を整え、測定を開始する準備を終えている。よっておおむね順調に進展していると言える。

今後の研究の推進方策

引き続き、聴性定常反応課題中の脳波測定を行い、今後は、課題中、課題前のガンマオシレーションと臨床症状や認知機能障害との関連を調べる。さらに健常者、リスク期の患者、初回エピソード統合失調症を含む発病3年以内の患者のガンマオシレーションの縦断的な変化や転帰との関連について調べる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016 2015

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 統合失調症早期段階のベースラインのオシレーション変化と刺激誘発性オシレーション2016

    • 著者名/発表者名
      多田真理子、切原賢治、永井達哉、越山太輔、小池進介、荒木剛、笠井清登
    • 学会等名
      第11回日本統合失調症学会
    • 発表場所
      ベイシア文化ホール(群馬県・前橋市)
    • 年月日
      2016-03-26
  • [学会発表] 早期精神病のマルチモダリティ画像研究:東大こころのリスク外来における臨床研究2015

    • 著者名/発表者名
      多田真理子
    • 学会等名
      第19回日本精神保健・予防学会
    • 発表場所
      仙台国際センター(宮城県・仙台市)
    • 年月日
      2015-12-12
    • 招待講演

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公開日: 2017-01-06  

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