研究課題
平成27 年度では、CBCT とDIR を用いた実線量分布を求める手法の確立を目指した。( 1 )治療前C B C T を用いた腫瘍形状および体型変化の解析:研究の第一段階として、過去のIMRT 治療症例を使った解析を行った。既に収集された連日の位置合わせ用のCBCT 画像を用いて、治療期間中の腫瘍縮小や体重減少を評価した。( 2 )D I R の精度検証、最適なD I R 法の決定:照射期間中に治療計画変更のために撮像された診断用CT と、CBCT をもとに変形させた治療計画CT が一致するかを検証することでDIR の精度検証を行い、本研究に相応しいDIR 法を選択した。当科で導入済みのRayStationでの評価をおこなった。( 3 )実線量分布の計算、積算実線量分布と治療計画上の線量分布との比較:DIR 法を用いて、位置決めCBCTに合わせ込む形で治療計画CT を変形させることで照射当日の実線量分布を計算する手法を模索した。
2: おおむね順調に進展している
当初の年度計画どおり研究が行われた。
平成28 年度には、実線量分布と臨床所見の関係を調べ、形状変化を考慮した積算実線量分布予測システムの開発を行う。( 4 )実線量分布と副作用の頻度・重症度との関係照射中ならびに治療後の副作用(主に粘膜炎、唾液腺障害、神経障害)の発生頻度・重症度(グレード)と照射毎(最大35 回)で危険臓器に実際に照射された線量との相関を調べる。治療計画時に予測された投与線量との違いについても検討する。( 5 )積算実線量分布の予測システムの開発治療序盤の治療について上記手法で実線量分布を求め、形状変化および実線量分布の推移を把握することで治療全体で照射される積算線量分布を予測するシステムを開発する。主成分分析など種々の手法を検討し、形状変化を考慮した積算線量の予測システムを構築することで治療計画時の予想から大きく逸脱しそうな症例については早期介入できるような仕組みの基盤となることを最終目標とする。
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Laryngoscope Investigative Otolaryngology
巻: 未定 ページ: 未定
日本放射線技術学会雑誌
巻: 72 ページ: 251-260
http://doi.org/10.6009/jjrt.2016_JSRT_72.3.251