研究実績の概要 |
C57/BL6マウスに回盲部結紮穿刺(CLP)を作成し、4日後に緑膿菌肺炎(PAIT)を作成し(PAIT)、two hit modelを作成した。①sham手術後にPAIT施行したsham群、②two hit model に治療として、CLP3日後に生食(NS)を投与した2H,NS群、③two hit model に治療として、CLP3日後にIFNβを投与した2H,IFN群の生存率は、Sham群と比較して2H,NS群は著明に低下し、IFNβの投与により生存率は有意に回復した。本研究ではfirst attackである腹膜炎が腹腔・肺胞マクロファージ、脾臓細胞にどのような影響を与えるかについて着目し、肺炎直前のそれらの機能について検討した。 腹膜炎が肺胞・腹腔マクロファージの機能に与える影響と、IFNβの効果を検証した。CLP3日後にIFNβ(CLP,IFN群)またはNS(CLP,NS群)を投与し、Sham群とあわせて、CLP4日後の肺炎直前に腹腔洗浄液、BALFを回収し、肺胞・腹腔マクロファージの機能評価を行った。肺胞・腹腔マクロファージの貪食能はCLP,NS群ではSham群と比較して有意に低く、CLP,IFN群はCLP,NS群と比較し有意に高かった。肺胞・腹腔マクロファージに対して、well上でのtwo hitとしてLPS刺激を行い、上清のTNFα発現量を測定したところCLP,NS群と比較してCLP,IFN群は有意に高値を示した。 腹膜炎やIFNβが脾臓細胞機能に与える影響を検証した。上記と同様の3群で、肺炎直前に脾臓を採取し、脾臓細胞を回収し、脾臓細胞のIFNγ受容体数の変化を測定したが、sham群よりCLP,NS群で有意に上昇したが、IFNβによる影響はなかった。
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