研究課題
本調査は、妊産婦死亡例と、重篤な産科合併所で死に直面しながらも幸いにも生き延びた女性の分析を通じ、世界的な目標である妊産婦死亡削減を妨害している要因を探求することを目的としている。調査対象者は、国内唯一の産婦人科領域の第三次医療機関と、地方の第二次医療機関の2施設で実施した。包含基準は、2015年1月~12月に、産科合併症のため集中治療室(ICU)へ入院した女性で、カルテを用いた情報収集は、本調査のために雇用された調査員によって行われた。第三次医療機関においては、データベース上、同期間にICUへの入院登録されている641名中、婦人科疾患や重複登録などを除外し、包含基準を満たした608名のデータを分析した。第二次医療機関においては、登録されている19名全員のデータを分析した。なお、施設毎の死亡者数は、それぞれ26名と1名であり、ICU入院者の死亡割合は2施設合計で4.3%であった。妊産婦死亡例の平均年齢は25歳(17‐38歳)、分娩歴の内訳は初産婦9名、経産婦18名(最大6経産)だった。主要死因は敗血症で、約半数が発症していた。産後異常出血と子癇発作はそれぞれ30%の死亡例に認められた。主要な介入は赤血球製剤輸血で、約60%に用いられた。産科的医療介入として重要な子宮全摘術は約10%に施行された。本調査はさらに、2016年に国立女性病院ICUに入院経験のある元ニアミス症例30例を対象に、カウンセリング・スキルのある調査員2名による個別インタビューを実施した。インタビューを通じて、ニアミス状態に至った経緯・経験に関する個別インタビューを行ったところ、妊産婦の知識不足・医療従事者の判断・治療の不適切性、・搬送システムの機能不全等、その原因は多岐に渡っていることが明らかになった。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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International Journal of Nursing and Health Science
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