研究課題
1. KLHL2ノックアウトマウスの作成と解析。今回我々は、CRISPR/cas9システムを用いてKLHL2ノックアウトマウスを作製し、腎臓での表現型を解析した。KLHL2ノックアウトマウスの腎臓においてWNK4蛋白の増加がみられ、転写亢進は伴わなかったため分解が抑制されていると考えられた。WNK4の下流のOSR1/SPAK-NCCカスケードへの影響は僅かで、過去に当教室で作成したKLHL3変異マウスのような高血圧・高カリウム血症・代謝性アシドーシスといったPHAⅡの徴候は呈さなかった。腎臓を皮質と髄質に分けて評価したところ、特に髄質でKLHL2の発現量が多く、KLHL2ノックアウトマウスの腎髄質ではWNK4蛋白発現が増加していた。以上より、KLHL2が特にマウス腎髄質におけるWNK4の分解を担っていることが示唆された。KLHL2はKLHL3と同様にWNK4の分解に関わっていると考えられるが、その分布と役割はKLHL3とは異なっていると思われる。この成果については論文にて報告を行った。(Biochem Biophys Res Commun. 2017 May 27;487(2):368-374)平滑筋におけるKLHL2ノックアウトマウス表現系の解析は今後の課題である。2. GFP-LC3 transgenicマウスを用いたautophagy誘導条件の検討と血管特異的Atg5ノックアウトマウスの作成。これまで知られている飢餓以外の幾つかの条件でautophagyが誘導されることがわかったが、詳細については検討中である。3。細胞及びC57BL/6マウスでの実験によるangiotensinII以外の血管収縮物質におけるどう機序の関与の検討。4。SQSTM1/p62のKLHL2の分解における特異性の検討。SQSTM1/p62結合タンパクについて検討中である。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件)
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