研究課題
分類不能型免疫不全症は低ガンマグロブリン血症を示す原発性免疫不全症のうち原因が特定されていない疾患群をさす。本研究では分類不能型免疫不全症の原因となる新規遺伝子の同定、病態の全体像を明らかにすることを目標とした。H27年度はNFκB2変異例を同定した。EBV関連疾患症例で分類不能型免疫不全症に分類されていたものについてNFκBシグナル(NFκB2やNFκB1の変異症例やその他の新規遺伝子変異の可能性)やDNA修復応答異常症(Fanconi貧血など)と関連がある可能性が示唆され論文化を開始した。H28年度はNFκB2新規変異例の解析検討のため、健常人の末梢血単核球や活性化T細胞を用いてウエスタンブロッティングによる発現解析のコントロール実験を行った。またこれまでの研究は遺伝子解析を中心に行ってきたが、H28年度においても継続して抗体産生不全や抗体産生異常症を中心に家系で検体を集めて全エクソン解析を行った。その結果から新規の疾患責任遺伝子の候補と考えうる分子を抽出し、機能解析について検討実験を開始した。具体的に検討を開始した分子について、まず患者におけるタンパク発現をウエスタンブロッティングにて検討すること、またそのうちの1分子は形質細胞分化に関わる分子であり非常に有力な疾患責任遺伝子の候補と考えられたため、健常人と患者の末梢血単核球やB細胞を用いてクラススイッチや体細胞突然変異の検討を行うことを計画し、そのためための準備実験を開始した。その他、FANCA変異例について論文や学会発表を行った。抗体産生不全症を含む原発性免疫不全症の症例解析に関して共同演者として学会発表を行った。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件)
Journal of Clinical Immunology
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Journal of Allergy and Clinical Immunology
巻: 6 ページ: 1672-1680
10.1016/j.jaci.2016.03.055
日本小児科学会雑誌
巻: 120 ページ: 1643-1648