本研究では、ナノポアセンシング技術により単一ウイルス粒子レベルでウイルス物性の計測を行い、TRPS技術のウイルスセンシングへの応用性を実証した。実験では、電流パルスの高さと頻度からウイルスの粒度分布と濃度の測定に成功した。懸濁液中のウイルス粒子濃度とプラークエッセイの結果に基づき、実際に存在している粒子の数と感染性のある粒子の数の比率を算出することによってウイルスサンプルの感染性の評価ができた。さらに、ウイルス粒子のナノポアを通過するスピードからゼータ電位の測定に成功した。粒子サイズとゼータ電位を抽出し、種類毎にクラスター化することでウイルスを同定できる可能性が示唆された。
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