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2015 年度 実績報告書

多倍体生物の全ゲノム配列構築手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15H06209
研究機関東京工業大学

研究代表者

梶谷 嶺  東京工業大学, 生命理工学研究科, 助教 (40756706)

研究期間 (年度) 2015-08-28 – 2017-03-31
キーワードゲノム / de novoアセンブリ / 多倍体
研究実績の概要

ゲノムの倍数性が2より大きい多倍体は酵母や植物に多く観察され、倍数性が産業上重要な形質に大きな影響を及ぼす例も頻繁に報告されている。それらの生物種のゲノム配列を決定することは多倍体ゲノム進化の機構の解明に必要であるとともに、品種改良等の応用研究の基盤としても重要である。既存の新規ゲノム配列決定(de novoアセンブリ)手法の対象サンプルが主に1または2倍体であることを鑑みて、本研究では倍数性が3以上のサンプルに対する配列決定手法の開発を行なっている。
27年度末までには、共同研究の体制を整え、ラガービール酵母Saccharomyces pastorianus の複数株のシークエンシング結果を入手している。これらのサンプルは異種交配株であり、倍数性は3または4であるが、特定のゲノム領域で倍数性が異なる性質(異数性)を持つ。Illumina社製DNAシークエンサのデータが得られた4株については、2倍体用de novoアセンブラPlatanusのパラメータを調整することで、400 kbp以上の値N50長(ドラフトゲノム配列の評価指標)を達成しており、アセンブリ結果はゲノム配列解析に適用可能であると考えられる。異種交配前の祖先種ゲノムとの配列比較や、mate-pairライブラリのマッピングにより精度評価も行なっているが、構造的なエラーは検出されていない。1株についてはPacific Biosciences社製の1分子DNAシーエンサのデータも入手しているが、このデータの利用に関しては既存手法の比較に留まっており、28年度に新規アルゴリズムを開発する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

共同研究者の貢献が大きいものの、複数の多倍体酵母のシークエンシング結果を入手できている。開発された手法により構築されたドラフトゲノム配列は、ラガービール酵母ゲノムの解析論文(Okuno et al. 2016)において、ごく部分的にではあるが利用され、公共データベースにも登録済みである。

今後の研究の推進方策

28年度はIllumina社製DNAシークエンサに加えて、Pacific Biosciences社製をはじめとする1分子DNAシーエンサのデータを活用した多倍体ゲノムのde novoアセンブリアルゴリズムを開発する。また、手法の汎用性を評価するため、より多くの多倍体酵母サンプルやゲノムサイズの大きい植物サンプルを用いてのベンチマークを実施し、アルゴリズムの論文発表を行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Next-generation sequencing analysis of lager brewing yeast strains reveals the evolutionary history of interspecies hybridization2016

    • 著者名/発表者名
      Miki Okuno, Rei Kajitani, Rie Ryusui, Hiroya Morimoto, Yukiko Kodama and Takehiko Itoh
    • 雑誌名

      DNA Research

      巻: 23 ページ: 67-80

    • DOI

      10.1093/dnares/dsv037

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

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公開日: 2017-01-06  

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