本研究の主な成果は,次の3つである.第1に,撤退の決断を含む企業の戦略的意思決定の要因に関するレビューを行い,今後の研究課題の導出した.第2に,経営者を評価・監視する外部取締役の比率の決定要因を分析した.具体的には,資源依存論にもとづき,財務的な健全性にかかわらず,特定の相手に資金を依存しているほど,役員招聘が多くなることを明らかにした.第3に,外部取締役が多く経営者が厳しく評価・監視されているほど,撤退の決断がなされないことを明らかにした.第1の成果は一橋商学論叢に,第2の成果は組織科学に査読付論文として掲載され,第3の成果も組織科学に査読付論文として掲載が決まっている.
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