研究課題/領域番号 |
15H06218
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
茂木 康平 東京海洋大学, その他部局等, 助教 (30583033)
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研究期間 (年度) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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キーワード | 量子可積分系 / 可解格子模型 / 対称多項式 / 表現論 / 組合せ論 |
研究実績の概要 |
可解格子模型の分配関数と対称多項式の対応の解明及び、その等価性に基づ対称多項式の組み合わせ論的表現論をテーマに研究を行っている。今年度は、Felderhof模型とSchur関数の対応を拡張し、種々の対称多項式の代数等式を導出した。 まず、一般化Felderhof模型のL演算子をYang-Baxter関係式の解析により導入し、L演算子より構成される波動関数がfactorial Schur関数を更に拡張した一般化factorial Schur関数で表わされることを示した。また、この波動関数と対称多項式の対応と、ドメイン壁分配関数のIzergin-Korepin流解析を総合することにより、一般化factorial Schur関数の双対Cauchy公式を導出した。 次にこの対応を、片側が反射壁境界条件である場合に対して、類似した解析を行った。まず、波動関数の構成に必要な2種類目のL演算子と境界のK行列を、Yang-Baxter関係式より導出した。次に、2種類のL演算子とK行列より構成される波動関数が、一般化factorial symplectic Schur関数で表わされることを示した。更に、 反射壁境界条件とドメイン壁境界条件を混合した境界条件の分配関数を解析することにより、一般化factorial symplectic Schur関数の双対Cauchy公式を導出した。従来知られていたsymplectic Schur関数の双対Cauchy公式の拡張である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
factorial Schur関数、factorial symplectic Schur関数の一般化を可解格子模型の観点により導入できた。また、symplectic Schur関数の双対公式の一般化はこれまで殆ど見つかっていないが、factorial版のみならず、その更なる一般化にも一気に成功した。可解格子模型の威力を存分に発揮できたと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
対称多項式の双対Cauchy公式の可解公式模型を用いた研究で重要なのが、双対波動関数の解析である。従来の研究では、Felderhof模型のパラメータを特殊化した場合は、対称性に関する議論を行うことにより、波動関数より双対波動関数の表示ができるが、一般のパラメータではこの議論は適用することができていなかった。最近、行列積の手法を用いて導出することができたので、この結果を用い、Schur関数の新たな組合せ論表示の導出する。また、一般化factorial Schur関数への一般化や、XXZ模型の場合にも解析を行う。
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