本研究においては、MEMSデバイスを模擬したSiO2ウェハ上のマイクロ沿面ギャップにおける放電機構を検討した。以下に本研究で明らかにしたマイクロ沿面ギャップ放電機構を述べる。負極性電圧印加時は、陰極からの電子放出が放電の主要因となる。陰極から放出された電子は誘電体表面を帯電させ、表面帯電により誘電体表面から離れたアーチ状の放電経路が形成される。したがって、絶縁破壊電圧は陰極表面の電界に依存するため、ギャップ長によらず一定となり、ばらつきが大きい。正極性電圧印加時は誘電体表面から放出された電界電子放出電流が陽極表面を加熱させ、金属蒸気が発生することによりタウンゼント型放電に至る。
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