研究課題
本研究では,内因性の抗炎症分子Del-1(Developmental endothelial locus-1)の生体作用機構を明らかにし,歯周炎の病態増悪への影響を解析した.これにより,Del-1に炎症抑制効果だけではなく,炎症に付随する骨吸収を同時に治療できる可能性があることが示唆された.Del-1の新しい機能を生体へ応用するために,日米独国際共同研究によるサルを使ったトランスレーショナルリサーチを行った.Del-1はサルにおいて,破骨細胞への分化抑制により骨吸収を抑制することと,好中球の遊走を抑制することで炎症性の骨吸収を阻害することが明らかとなった.また,Del-1を外部より投与するのではなく,生体内で効率的に産生が可能となる方法も見出す事が出来た.すなわち,「生体由来の内因性の分子」によって,細菌感染と炎症性疾患を同時に治療しようとすることが可能になった.さらに,加齢によって減少していくDel-1の発現を自立的に回復させることができれば,生体の炎症をコントロールすることも可能になり,生体恒常性維持に大きな寄与が期待できる.最終的には,歯周炎だけでなく誤嚥性肺炎や,難治性の炎症性疾患(多発性硬化症等)に繋げることで,新たな抗炎症領域の研究展開が可能となると推察される.
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 4件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)
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