外傷や手術に伴う末梢神経の欠損に対しては、古くから自家神経移植術が行われています。しかし、自家神経移植術は神経採取部にしびれなどの愁訴が残存することが最大の問題点です。その解決策として、脂肪由来幹細胞を用いたハイブリッド人工神経を作成し、末梢神経欠損の治療方法を確立することが本研究の目的です。 当該年度の研究において、脂肪由来幹細胞からSchwann細胞のphenotypeに分化させることに成功しました。これを神経再生誘導チューブ(ナーブリッジ)内に封入し、ラットの坐骨神経15mmの欠損を架橋します。実験モデルは、ナーブリッジ単独群、ナーブリッジ内にSchwann細胞のphenotypeを封入したハイブリッド人工神経群、自家神経移植群の3群を各々30匹ずつ作成する予定であり、現在この過程を遂行中です。
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