研究実績の概要 |
年間数百万トンもの黄砂が微生物や基準を超える有害物質によって汚染された状態で日本に飛来しており,視程障害,大気汚染等において深刻な被害をもたらしている。この黄砂の原因の1つに中国西部乾燥地帯における沙漠化がある。さらに,中国西部乾燥地帯ではオアシスの縮小そして沙漠化が進行しており,日本を含め広域での砂塵による被害の拡大が懸念されている。 本研究では,人工衛星によるデータを用いて新疆ウイグル自治区(中国)における生態系劣化の検知を試みた。 リモートセンシングを用いた土地被覆分類は全球的な変化を明らかにするうえで広く用いられてきた。リモートセンシングデータから全球スケールでの土地被覆マップを作成する上で,自己組織化写像(Self-organizing maps, SOM)やランダムフォレスト(Random forests, RF)が用いられた成果が公開されている。本研究では,使用する機械学習アルゴリズムの違いを明らかにするため、先行研究などで広く用いられているSOM及びRFに加え,KELMによる分類も実施し,これらの分類結果の比較を実施した。結果としてKELMが最も優れており、検証用データに対して0.8を超えるκ係数を示した。 2000年から2015年に取得されたMODISデータ(MOD13A2)とKELMを組み合わせることによって、15,739 km2ものオアシスが減少したとことが判明した。
|