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本研究は、製品の部品構造や、各々の部品に応用されている技術領域が、製品市場の特性および製品のコモディティ化にどのように影響するかを探索するものである。研究対象としてデジタル・イメージング産業を選択し、部品構造や応用される技術領域が異なる３つの製品（デジタル一眼レフカメラ、デジタルミラーレス一眼レフカメラ、コンパクトデジタルスチルカメラ）を分析対象とし、それぞれの製品の発展・開発の歴史、製品の特許情報、製造方法、市場動向との関連性を調査した。その結果、下記のことが明らかになった。
１）企業の過去の製品製造経験は、現在の研究開発動向や資源配分に大きく関連する。アナログカメラ製造経験のある企業は光学分野に、ない企業は電気分野に研究開発を集中し、それが特許出願状況にも影響する傾向がある
２）元々光学の技術開発を行っていた（アナログカメラの製造経験がある）企業が、ない企業よりも、光学、電子写真、そして電気のそれぞれの技術の摺り合わせが必要な研究開発に注力し、その研究開発や発明に関する技術知識の蓄積を持つ。また、前者の方が関連領域の研究開発を積極的に行っている。
３）異なる技術領域を各々応用している部品と部品とが関連するような部品構造を持つ製品については、光学技術と電気電子技術の両方の領域の研究開発を行い、かつそれらを組み合わせて研究開発を行うことが、最終的に製品市場での製品売上につながる条件となっている。
４）新しい技術と旧い技術の摺り合わせの過程が設計や生産において存在する場合、産業における技術の成熟の進行は比較的遅い。産業内における技術イノベーションにより新たに開発された製品は、その製品の部品構造上の特徴により、市場における競争の激しさや、産業における価格低下やモジュール化のスピードに影響する。
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