全血試料から高効率で血中循環腫瘍細胞を回収でき、かつ細胞にストレスを与えない条件下で磁性粒子と細胞を分離できる磁気細胞分離プロセスの開発を目指した。フェライトナノ粒子と温度応答性高分子から磁性集積体を作製し、その表面に生体分子認識性を持つタンパク質を吸着させることで、細胞分離用磁性粒子を作製した。粒子表面のタンパク質量を制御することで細胞回収率を25%程度から最大で60%まで増加させた。光学顕微鏡を用いたその場観察により、37℃から4℃の温度変化で粒子が吸着脱離している様子が観察され、本研究で作製した細胞分離用磁性粒子が低ストレスの磁気細胞分離プロセスに応用できる可能性を見出した。
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