分子構造の剛直性部位の末端に硫黄を導入した新しい棒状液晶分子の合成とその機能の解明を行った。以下に示す4つの分子設計戦略、「水素結合性部位の導入」、「側方位への置換基の導入」、「末端アルキル鎖の最適化」、「メソゲン内への回転部位の導入」に基き、様々な分子骨格(コア)の末端にアルキルチオ基を有する化合物群を合成した。得られた化合物の多くは、光学材料用途に重要なネマチック相を示すことがわかった。さらには、汎用的な炭素および酸素誘導体と比較し、硫黄の引力相互作用により、隣接分子の接近や、配向度および複屈折の温度依存性が向上することが明らかとなった。
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