研究課題/領域番号 |
15H06287
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
西川原 理仁 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50757367)
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研究期間 (年度) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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キーワード | ループヒートパイプ / 蒸発メニスカス / 遠赤外線加熱 / 可視化 |
研究実績の概要 |
本研究では、ループヒートパイプ(LHP)の最重要設計要素である蒸発器設計理論を構築するため、3次元形状のマイクログルーブを有する蒸発器における可視化装置を構築し、グルーブ内の濡れ挙動を解明し、LHPの熱輸送能力を最大化することを目的としている。本年度は、可視化蒸発器の試作、LHP評価装置の構築、非接触加熱装置の製作、ケース-ウィック-グルーブ三相界線における濡れを考慮した熱輸送解析を中心に行った。具体的な成果を以下に要約する。 ・蒸発器への熱流束が0~20W/cm2負荷可能なLHPを設計・製作し、作動流体アセトン、セラミックウィック(細孔径3.2μm)を選定し、毛細管限界における気液界面挙動も観察できる仕様とした。 ・遠赤外線ヒーターによる蒸発器への非接触加熱装置を製作し、エチレングリコールによる液単相冷却条件においてその最大熱流束が2.55 W/cm2である確認した。これはLHP蒸発器の熱伝達形式と置き換えると25.5 W/cm2であり、十分な熱流束を与えられると予測される。 ・ケース-ウィック-グルーブ三相界線においてメニスカスが存在する場合の解析モデルを構築し、メニスカス存在時に蒸発器熱伝達率が増加することが示された。ケースとの接触角が蒸発器熱伝達率に及ぼす影響について解析的に明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では蒸発器を製作し可視化実験が行っている予定であったが、蒸発器とウィックとのシールが不十分であり可視化実験が行えていない状況であるため。
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今後の研究の推進方策 |
最優先事項は、蒸発器とウィックとのシール性の問題を解決することである。蒸発器が製作でき次第、従来の軸方向グルーブと三次元マイクログル-ブによる可視化を行い、気液界面挙動の観察を行う。
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