研究課題
ループヒートパイプは(LHP)は蒸発器内の相変化を伴う多孔体内気液熱流動などが理解されていないため,設計方法が確立されていないという課題が存在する.そこで本研究では,LHPの最重要設計要素である蒸発器設計理論を構築しLHPの熱輸送能力を最大化するため、蒸発器内部の流れを観察し性能予測を高精度化しウィックの最適形状理論を構築した.蒸発器飽和蒸気中の固相-多孔体液相-気相の三相界線での濡れ・相変化現象を解明するため,可視化用蒸発器を製作し,三相界線におけるマイクロスケール濡れ挙動を観察し,三相界線における濡れを考慮した解析モデル構築した.以下に成果を示す.・石英ガラス管を用いた透明蒸発器を製作し,遠赤外線による加熱装置を構築し,構築したLHPが正常に動作することを示し,4.0 W/cm2の熱流束まで輸送できることを示した.・一眼レフカメラによる観察によって,動作中においても三相界線にメニスカスが存在していることが観察された.また,メニスカス厚さは冷却条件によって1秒未満の周期で振動するが観察され,メニスカスは10 - 400 μmの範囲で振動していた.・三相界線におけるメニスカスを考慮した解析モデルを構築し,蒸発器の熱伝達率の定量的な違いを明らかにした.蒸発メニスカスによってケースからも蒸発によって熱輸送が行われることで,蒸発器の熱伝達率が大きく上昇することが分かった.・三相界線長さのみを用いたウィックの最適形状理論を構築した。熱伝達の高い三相界線領域の増加による蒸発器熱伝達率の増加と、グルーブ幅減少、グルーブでの圧力損失の増加による蒸発器熱伝達率の減少によってある三相界線長さにおいて蒸発器熱伝達率が極大となることを示した.
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)
Applied Thermal Engineering
巻: accepted ページ: accepted
http://dx.doi.org/10.1016/j.applthermaleng.2017.02.050
International Journal of Heat and Mass Transfer
巻: 104 ページ: 1083-1089
http://dx.doi.org/10.1016/j.ijheatmasstransfer.2016.09.027