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2015 年度 実績報告書

中央アジア出土胡語・漢語文献との比較によるトゥムシュク語文献の総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15H06298
研究機関京都大学

研究代表者

荻原 裕敏  京都大学, 白眉センター, 准教授 (60762135)

研究期間 (年度) 2015-08-28 – 2017-03-31
キーワードトゥムシュク語 / 中世イラン語 / 歴史言語学 / 古文書学 / 中央アジア史
研究実績の概要

本研究は、中国・新疆ウイグル自治区のトゥムシュク地域を中心に、東のクチャからトゥルファンに到る地域で資料が発見され、現在世界各国に所蔵されるトゥムシュク語文献を研究対象として、文献学的校訂作業を行い、その成果を利用して当該地域の言語・歴史・宗教・文化を再構成する事を目的とする。具体的には、各国所蔵のトゥムシュク語文献の網羅的調査を行い、基礎資料のコーパスを確立した上で、時代・地域を同じくする他言語資料との比較によるトゥムシュク語文献の解読及びトゥムシュク地域の言語・歴史・宗教・文化の再構成と言語文化の接触・融合の総合的解明を目指す。
本年度の研究実績としては、2015年9月にサンクト・ペテルブルクにて開催されたヨーロッパ・イラン学会の第八回イラン学会に参加し、トゥムシュク語の動詞体系に関する発表を行うと共に、関連領域の研究者と意見交換を行った。また、上記学会を利用して、ロシア科学アカデミー=サンクト・ペテルブルク東方文献研究所所蔵のトゥムシュク語文書の調査を実施した。さらに、研究代表者によって初めて指摘されたフランス所蔵のトゥムシュク語世俗文書一点を論文として出版した。
上記の研究実績について、学会発表では、これまで体系的な研究がなされていなかった当該言語の動詞体系の内、特に過去形に関連する部分を整理し、中世イラン語の中でどのように位置づけられるかを検討した。また、原文書の調査によって、公開されている図版からでは十分に解読できなかった部分を修正する事が可能となった。当該言語の資料は数が100点以下と極めて少ないため、一点とは言え、未知の資料の出版は学界を裨益すると共に、この文書がクチャ地域の仏教寺院址で発見されたと推定される事から、歴史学的な位置づけを行う上で重要な手がかりを提供する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

概ね研究計画通りに進捗しているが、当初計画していたドイツでの調査を実施する事ができなかったため、調査は次年度に行い、他言語資料との比較を通して、出版を計画している資料の論文化作業を先行して進めた。

今後の研究の推進方策

ドイツでの調査を実施した上で、ヨーロッパ・イラン学会の第八回イラン学会で行ったトゥムシュク語動詞の過去形に関する研究を論文としてまとめると共に、フランス所蔵の残りのトゥムシュク語文書の出版と当該言語の動詞体系に関する研究を論文化する事を目指す。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] Kuchean secular documents in the Pelliot Koutcheen Nouvelle Serie2015

    • 著者名/発表者名
      Ogihara Hirotoshi
    • 雑誌名

      Tocharian and Indo-European Studies

      巻: 16 ページ: 81-105

    • 査読あり
  • [学会発表] The injunctive in Tumshuqese2015

    • 著者名/発表者名
      Ogihara Hirotoshi
    • 学会等名
      Eighth European Conference of Iranian Studies
    • 発表場所
      St. Petersburg (Russia)
    • 年月日
      2015-09-18
    • 国際学会
  • [学会発表] The four directions in Tumshuqese2015

    • 著者名/発表者名
      Ching Chao-Jung
    • 学会等名
      Eighth European Conference of Iranian Studies
    • 発表場所
      St. Petersburg (Russia)
    • 年月日
      2015-09-18
    • 国際学会

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公開日: 2017-01-06  

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