本研究は、「ボルガ・バスケット」を事例に、ガーナ産手工芸品のグローバルな循環の動態を、日本の消費者および企業の実践やアクター間関係から解明することをめざしたものである。本研究の主な成果は以下の3点である。(1)「オルタナティブな」消費実践にとどまらない消費者の志向の多様性がバスケットの循環の原動力となっていることをあきらかにしたこと、(2)他方で、いかなる消費理念を掲げようとも、近年の消費者がもとめているのは、畢竟手ごろな価格で高品質な手工芸品であることをあきらかにし、(3)(2)のような消費者の要望に応えつつ商品の循環を維持するための消費地卸の契約外の実践を実証したこと。
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