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2015 年度 実績報告書

社会的相互行為アプローチで捉えるドイツ産別労組の新展開

研究課題

研究課題/領域番号 15H06303
研究機関京都大学

研究代表者

北川 亘太  京都大学, スーパーグローバルコース実施準備ユニット, 研究員 (20759922)

研究期間 (年度) 2015-08-28 – 2017-03-31
キーワードドイツ産別労組 / 派遣労働 / 社会運動
研究実績の概要

(1)「社会的相互行為アプローチ」の特徴の明確化
本研究の価値は,社会的相互行為アプローチを構成する個々の着眼点,すなわち,ある主体の(a)自己定義(b)実行可能な選択肢(c)他者との関係,を結びつけて,制度変化の源泉として上記(a)~(c)全体の再編成を捉えるアプローチを練り上げる点である。本年度は,この内容を明確に示したものを英語論文として完成させ,制度経済学の研究が特に盛んなフランスの雑誌に投稿した。
(2)ドイツ産別労組の組織化戦術の変化を捉える
2008年から2013年まで派遣労働者の待遇改善運動を展開したIGメタルについて,(a)自己定義,(b)実行可能な選択肢,(c)他者との関係,が連動して変化したこと,及び,それが社会運動の成功,つまり政府の方針転換に帰結したことを明らかにするために,ドイツに出張をして資料収集とインタビューを行った。その結果,IGメタルが「闘争的な社会運動」及び派遣労働者の「積極的組織化」を実施するきっかけになったのが,米独労組間の連携の中で,アメリカ産別労組が独自に練り上げてきた組織化戦略を学習したことであったことが分かった。この学習から実施までの過程を追いかけることによって,「実行可能な選択肢」が再定義されるまでの組織的内省を詳細に理解することができそうである。とりわけ,学習によって追加された選択肢が,組織における過去の成功体験と結びつけられることによって実行可能な選択肢として認められたという興味深い過程が明らかにできそうである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

社会的相互行為アプローチを明確化した論文については,国際的な学会誌に認められ,掲載が決定しているため。また,このアプローチからの実態調査については,論文として完成はしていないものの,論証するための情報が着実に集まってきてるため。

今後の研究の推進方策

今後の研究として,各小課題の仮説を論証するための情報を現地で収集するとともに,各小課題を順次論文として公表していきたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] An Analysis of J.R. Commons's Changing Views on the Role of Sovereignty in the Political Economy2015

    • 著者名/発表者名
      Kota Kitagawa
    • 雑誌名

      Kyoto Economic Review

      巻: LXXXIV, 1-2 ページ: 2-28

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] A.ネグリにおける価値と労働 ver.1.12016

    • 著者名/発表者名
      山本泰三・北川亘太
    • 学会等名
      進化経済学会第20回大会
    • 発表場所
      東京大学(東京都・文京区)
    • 年月日
      2016-03-26
  • [学会発表] A.ネグリにおける価値と労働2015

    • 著者名/発表者名
      山本泰三・北川亘太
    • 学会等名
      経済理論学会第63回大会
    • 発表場所
      一橋大学(東京都・国立市)
    • 年月日
      2015-11-21

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公開日: 2017-01-06  

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