本研究では,20世紀前半における国際的二重課税関連税制と,それに適応し,節税を行った英日米多国籍企業の事例を研究した。本研究から、多国籍企業が国際的二重課税問題をうけ,多様な節税技法を開発し,企業形態の改組,移転価格,過少資本,タックスヘイブンの利用などを行っていたことを明らかにした。さらに、各国政府は国際連盟等の場で、他国政府と協調しながらも,自国に優位なように世界的な国際課税制度を構築しようとしていた。マネジメント研究上の関心からみると、イギリス多国籍企業においては、税金対策が多国籍企業の対外事業コントロールに影響を及ぼすことがあった。
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