日常生活は宣言的表象(物事についての知識)と手続き的表象(やり方についての知識)を組み合わせることで成り立つ。本研究では、手続き的表象の制御可能性を検討するため、判断課題を一定にして2つの反応セットの切替えを求める反応セットスイッチ課題を考案し実験を行った。 反応セットが手掛かりで指定されるときは、手続き的表象の内的変更は可能である一方、判断課題がカテゴリー分類でかつ手続き的表象の系列的変更が求められると、刺激呈示前に内的に手続き的表象を変更することは困難であった。このため、手続き的表象は内的に制御可能だが、その制御可能性は、操作対象となる宣言的表象の性質により制約を受けることが示唆された。
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