研究課題/領域番号 |
15H06317
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
坂本 龍 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (50756476)
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研究期間 (年度) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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キーワード | 有機分子触媒 |
研究実績の概要 |
本研究課題では、実用的な有機分子触媒反応の実現を目標とした、新たな分子骨格を有する有機分子触媒の開発に取り組む。具体的には、糖類のアノマー位に直接芳香環が結合したアリール-C-グリコシド構造を基本骨格とした有機分子触媒を独自にデザインし、その触媒の合成及び、それらを利用した新規不斉反応の開発研究を行う。糖部分及び芳香環部位の官能基の導入やその変換が容易である、アリール-C-グリコシド構造の利点を最大限に活用し、触媒構造の緻密な最適化を行うことにより、従来の有機分子触媒では不可能だった、新規反応や低触媒量での反応の実現を目指す。
初年度では、アリール-C-グリコシド型触媒の構築法の確立を目指した研究を行った。触媒を効率的に合成するため、市販の糖誘導体から、様々な官能基や構造を有したキラル糖ユニットライブラリーの構築を目指した。具体的には、容易に入手可能なグルコサミンやグリカールを出発原料として、糖の2位にアミノ官能基を有する触媒前駆体の合成を目指した。種々の変換反応を検討したものの、現時点では目的とする触媒の合成には至っていない。この原因の一つとして、各合成ステップにおける収率が低いことがあげられる。そのため、目的の触媒の合成経路を見直すことにより、より良い合成法の確立が必要と考えられる。 また、今後は他の糖も出発原料とし、種々の変換反応を検討することにより、キラル糖ユニットライブラリーの構築を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度、市販の糖を出発原料として、触媒前駆体の合成を行ってきたが、現在のところ目的の触媒の合成には至っていない。この原因の一つとして、各段階の合成ステップにおける収率の低さが挙げられる。各合成ステップの最適化と共に、反応のスケールアップ及び精製法の簡素化などを今後検討する必要があると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
引き続いて、糖を母骨格とした有機分子触媒の開発を行う。より効率的な合成計画の立案と糖の官能基変換手法の検討を行っていく予定である。特に、大スケールでの合成に耐えうる合成経路の確立を目指す。それと並行して、超原子価ヨウ素化合物によるラジカル反応を利用した、糖の新たな変換反応の開発も行っていく。
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