生細胞は膜表面に存在する膜タンパク質受容体により外部刺激を感知し、その性質・機能を適応させる。しかしながら、膜タンパク質受容体の三次元構造は非常に類似しているため、生細胞においてそれらの生理機能の詳細を明らかとすることは未だ困難である。本研究では、標的膜タンパク質受容体の活性を人工的制御するための手法として、錯体化学と遺伝子工学を組み合わせたケモジェネティック的方法論(OcCC: On-cell Coordination Chemistry)を開発した。OcCCを用いることで生細胞上において神経細胞に存在するグルタミン酸受容体や薬物標的として重要なclass A GPCRの活性制御に成功した。
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