細胞は高ストレス下において、翻訳を抑制することで細胞増殖を停止させている。このとき翻訳を制御しているmTORC1は、基質蛋白質をリン酸化することで、結合因子との相互作用を変化させmRNAの翻訳を制御している。本研究では、mTORC1の基質蛋白質である4E-BP1とその結合因子eIF4Eの相互作用について、分子動力学シミュレーションを用いて、各リン酸化状態の構造変化を検証した。その結果、4E-BP1のpS65pT70において、4E-BP1のC末端tailの部分が大きく構造変化し、eIF4EのN末端、α-2 helixおよびβ-2 strandとの相互作用が阻害されることがわかった。
|