低悪性度悪性神経膠腫における予後不良因子の解明

2016 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 15H06339
• 研究機関: 京都大学
• 研究代表者: 青木 恒介 京都大学, 医学研究科, 研究員 (10759773)
• 研究期間 (年度): 2015-08-28 – 2017-03-31
• キーワード: 神経膠腫 / 予後不良因子

研究実績の概要

神経膠腫は最も高頻度に発生する脳腫瘍の一つであり、WHO gradeⅠ～Ⅳに分類される。WHO gradeⅡ・Ⅲの神経膠腫(lower grade glioma、以下LGG)は全神経膠腫の1/3を占める腫瘍であり、IDH1/2変異、染色体1p/19qの共欠失の有無により明瞭に三群に分かれることが報告され、2016年に改定されたWHO分類でも遺伝子異常の有無による分類が採用された。我々は、遺伝学的サブタイプ毎に、患者予後と関連を持つ遺伝子異常の同定の遺伝子解析を行った。
今回日本及びアメリカのthe cancer genome atlas（TCGA）にて公開されている情報を用いた。日本の症例は全5施設から検体提供を受け、全エクソンもしくは標的シークエンスなどにより網羅的に遺伝子異常探索を行った結果を用い、臨床情報は最新のものを取得した。各遺伝子異常をもつ腫瘍割合の同定のための解析をamplicon シークエンス及びSNPアレイを用いて行った。TCGAについても、臨床情報を最新のものにupdateして解析に使用した。MRI画像情報や手術摘出度については、検者間の差をなくすため、ほぼ全例で情報を取得し、同一検者が検討を行った。
各遺伝学的サブタイプにおいて、遺伝子異常と臨床因子（年齢や手術摘出度など）について、単変量および他変量Cox 回帰比例ハザードモデルを用いて解析を行い、独立に予後不良因子となる遺伝子異常を同定した。より悪性度の高い膠芽腫についても、TCGAで公開されているデータを用い、今回同定した予後不良因子を持つ群と比較検討した。研究成果をまとめ、現在論文を投稿中である。

現在までの達成度 (段落)

28年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

28年度が最終年度であるため、記入しない。

研究成果

• [学会発表] Comprehensive mutational and cytogenetic analysis revealed genetic prognostic factors in grade II and III gliomas. (2016)
  • 著者名/発表者名: Kosuke Aoki, Hiromichi Suzuki, Hideo Nakamura, Keitaro Matsuo, Kazuya Motomura, Fumiharu Ohka, Masahiro Mizoguchi, Yasutomo Momii, Yoshihiro Muragaki, Reiko Watanabe, Ichiro Ito, Toshihiko Wakabayashi, Atsushi Natsume, Seishi Ogawa
  • 学会等名: 21th ANNUAL SOCIETY FOR NEURO-ONCOLOGY SCIENTIFIC MEETING
  • 発表場所: Scottsdale, USA
  • 年月日: 2016-11-20 – 2016-11-20
  • 国際学会
• [学会発表] Prognostic implications of genetic alterations from comprehensive genetic profiling in diffuse lower-grade gliomas (2016)
  • 著者名/発表者名: Kosuke Aoki, Hiromichi Suzuki, Keitaro Matsuo, Keisuke Kataoka, Teppei Shimamura, Yasunobu Nagata, Tetsuichi Yoshizato, Masashi Sanada, Satoru Miyano, Toshihiko Wakabayashi, Atsushi Natsume and Seishi Ogawa
  • 学会等名: 第75回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2016-10-06 – 2016-10-06
• [学会発表] 大規模ゲノム解析から明らかとなったgrade II, III 神経膠腫における遺伝学的予後予測因子 (2016)
  • 著者名/発表者名: 青木恒介、鈴木啓道、中村英夫、松尾恵太郎、本村和也、大岡史治、椎名諭、山本高士、溝口昌弘、籾井泰朋、村垣善浩、眞田昌、宮野悟、若林俊彦、小川誠司、夏目敦至
  • 学会等名: 第75回日本脳神経外科学会学術総会
  • 発表場所: 福岡
  • 年月日: 2016-10-01 – 2016-10-01
• [学会発表] Genetic subtype-specific prognostic significance of genetic alterations in lower-grade gliomas (2016)
  • 著者名/発表者名: Kosuke Aoki, Hiromichi Suzuki, Hideo Nakamura, Keitaro Matsuo, Kazuya Motomura, Fumiharu Ohka, Masahiro Mizoguchi, Yasutomo Momii, Yoshihiro Muragaki, Reiko Watanabe, Ichiro Ito, Satoru Miyano, Toshihiko Wakabayashi, Atsushi Natsume, Seishi Ogawa
  • 学会等名: American Asspociation for cancer research 2016 annual meeting
  • 発表場所: New Orleans, USA
  • 年月日: 2016-04-20 – 2016-04-20
  • 国際学会