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2015 年度 実績報告書

転写因子C/EBPβとRunx2に関する歯の再生技術開発へ向けた基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 15H06341
研究機関京都大学

研究代表者

斎藤 和幸  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員研究員 (40419297)

研究期間 (年度) 2015-08-28 – 2017-03-31
キーワードCebpB / Runx2 / 歯の再生 / マウス切歯 / エナメル上皮幹細胞 / レトロウイルスベクター
研究実績の概要

Cebpβ(129sv)とRunx2(C57BL6)のダブル遺伝子改変マウス、それらの遺伝子あるいはmiRNAを遺伝子導入したマウス切歯エナメル上皮細胞株mHAT9dの解析を行い、エナメル上皮幹細胞のステムネスの維持や、分化に関わる機序を解析している。
出生後3ヶ月のCebpβKORunx2Hetでは形成端に歯胚の形成 、歯髄の骨化(12匹中4匹)を認めた。また、アダルトのCebpβKOマウスではエナメル上皮幹細胞の減少という表現型が生じていた。CebpβKOマウスではエナメル芽細胞の極性の乱れとその周囲にエナメルマトリックスの小塊がみられた。Runx2Hetマウスにおいてもエナメル芽細胞の極性の乱れが観察された。
Cebpβ過剰発現ではRunx、Cbfβが減少しており、その下流にあるFgfr2も減少しており、Notch1 Jagged1が著名に減少しており、エナメル上皮幹細胞からエナメル芽細胞や中間層細胞に分化するのを抑制しており、脱分化傾向であることが分かる。
Cebpβをノックダウンしたエナメル上皮細胞株ではSox2の減少が認められ、これは生体での減少と同じであるといえる。また、Runx2が減少し、上皮間葉転換マーカーSnail2が亢進傾向、E-cadherinの減少傾向を認めた。
Runx2をノックダウンしたエナメル上皮細胞株では、Cebpβの増加が認められ、上皮間葉転換マーカーであるSnail2、Tgfβ1において上昇、間葉マーカーであるVimentin、Fibronectinにおいて上昇が認められた。
Cebpβがエナメル上皮幹細胞の維持に関わると考えられ、また、分化に関連した遺伝子群を抑制していることが予測された。Runx2はエナメル上皮幹細胞の枝分かれ、細胞接着、上皮間葉転換あるいはその分化、増殖を制御していることが推察された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

胎生期と出生後のCebpβとRunx2の発現量定価によるエナメル上皮幹細胞における表現型が異なるため、DKOマウス胎生15日目の胎児にガンマ線を照射し、加齢に伴うステムエイジンをモデリングする実験を行っている途中であり、実験結果が得られていない。

マウス歯原性間葉細胞株をGSK3β処理した歯髄幹細胞様細胞株におけるC/EBPβ、Runx2の過剰発現、ノックダウンによる遺伝子の発現の変化をみる実験系は現在実施する予定が立っていない状態である。

今後の研究の推進方策

エナメル上皮細胞株mHAT9dにおいて、Stealth siRNAによるCebpβ、Runx2のノックダウン実験を行い、コントロールとの遺伝子発現量の変化を比較する実験を検討している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] エナメル上皮細胞におけるCebpβとRunx2の作用機序の解析2016

    • 著者名/発表者名
      斎藤 和幸
    • 学会等名
      第15回再生医療学会
    • 発表場所
      大阪市
    • 年月日
      2016-03-17 – 2016-03-19

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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