近年,スマートフォンに代表される機能的な機器の広がりとともに,複数課題同時遂行による問題は避けられなくなっている。本研究では,複数同時課題遂行によって認知資源が剥奪された際に生じる,認知的情報処理,社会性情報処理の変化の個人差を調べることを目的とした。日常生活において認知資源の制約を受けながら複数の課題を同時遂行しなければならない場面として,自動車の運転,また混雑する店舗で必要な製品を取捨選択する場面などがあげられる。本研究は,そのような日常場面における認知資源剥奪下での複数同時課題遂行の個人差を明らかにし,同時課題遂行の支援システムや情報提示方法提案の基盤となる知見を得ることを目指した。
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