研究課題
本研究は、国内外での資料収集を中心に行った。研究成果の公開に関して、2016年7月にウイーン大学(オーストリア)で開催される比較文学会の世界総会(ICLA)で伍廷芳の翻訳及びその周辺人物との比較研究について発表した。同年8月に大阪大学豊中キャンパスにて「新聞の中の文学」と題した研究会を開催し、より幅広く本研究の成果を発信した。日本語論文の「夏目漱石『門』・『行人』における宗教概念とその時代」が2017年3月に刊行された。同論文では漱石の小説に取り込まれた心霊学と参禅は、明治期の東京帝国大学における近代心理学の導入と関連していることを確認したほか、参禅は同時代の知識人において、修身・修養の手段として試されていたことを、漱石や杉村楚人冠の例で説明し、彼らは共に既成宗教と社会進化論の限界に疑問を抱いたことも論考した。英語論文Theosophical Movements in Modern China: The Education Provided by Theosophists at the Shanghai International Settlementが収録される、共著のTheosophy Across Boundaries は校正の進捗状況によるが、2018年までには刊行される予定である。中国語論文は2017年7月に開催される、台湾中央研究院・近代史研究所のシンポジウムで発表された後、同会の論考集に投稿する。研究期間内に刊行が間に合わなかったのもあるが、個々の研究成果に基づき、英語・日本語・中国語で論文を作成し、本研究の成果がよりグローバルに発信できるよう努力した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)
『語文』
巻: 106, 107 ページ: 27-46
Annals of “DIMITRIE CANTEMIR” Christian University Linguistics, Literature and Methodology of Teaching
巻: 16 ページ: 42-53
http://aflls.ucdc.ro/en/doc/anale1_2016.pdf