NMOはAQP4抗体によるアストロサイト障害が原因であるが髄液中でIL-1βやHMGB1が増加することが報告されており、自然免疫系の関与が示唆されていた。一方ミトコンドリアDNAは近年内因性のDAMPSとして注目されており、インフラマゾームの活性化やcGAS-sting経路を介してタイプ1インターフェロンの産生に関与することが報告されてきたが、中枢神経疾患での役割はまったく不明であった。 さまざまな中枢神経疾患患者髄液のミトコンドリアDNAを測定したところ他の神経疾患に比べてNMO急性期において有意に増加していることを見出した。またNMO患者血清をマウスのアストロサイトおよびAQP4強制発現HEK293細胞にに添加したところ、ミトコンドリアDNAが培養上清中に増加した。さらにミトコンドリアDNAを混合グリア培養に添加したところ、培地中にIL-1βが増加した。この増加はインフラマゾーム活性化が起きないASC欠損マウスでは観察されず、ミトコンドリアDNAはインフラマゾームを活性化しIL-1β産生の原因となることが明らかとなった。
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