造血幹細胞の細胞周期は、生理学的状況に応じて変動することが知られているが、その正確なメカニズムはわかっていない。本研究では、多光子励起顕微鏡法を用いて、定常状態及び活性化造血幹細胞の生体イメージングを行った。 抗腫瘍薬5-FUによる前処置を行ったマウスに移植された造血幹細胞の運動性は、対照マウスに移植されたものと比較して有意に低下しており、その大部分は血管内皮細胞に近接していた。遺伝子発現解析の結果からは、骨髄抑制後の微小環境が造血幹細胞に増殖シグナルを供給し、その細胞周期に影響を及ぼすことが示唆された。
|