本研究では,化膿レンサ球菌のエンドペプチダーゼPepOと補体C1qとの相互作用と,PepOが補体免疫回避や菌の病原性に及ぼす影響を検討した. ELISAの結果より,PepOはC1qと濃度依存的に結合した.さらに,低pH条件下においてPepOはIgGとC1qとの結合を阻害した.また,低pH条件においてはPepOはヒト血清中における化膿レンサ球菌の殺菌回避に寄与した.マウス皮膚感染モデルにおいて,野生株感染病巣はpepO欠失株感染病巣より大きく,かつ病巣における補体活性は低下した. 以上の結果より,化膿レンサ球菌のPepOは補体免疫回避に寄与することで,病原性を発揮することが示された.
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