22q11.2欠失症候群は22番染色体長腕の微細欠失により起こる重篤な先天的発生異常を示す。疾患の特徴として、先天性心疾患、免疫不全症、低カルシウム血症等に加えてエナメル質形成不全を認める。本疾患の原因候補遺伝子としてTbx1等が同定され、TBX1の発現の変化がエナメル質形成不全に影響を与えることが報告されている。しかし、本疾患における歯牙石灰化の程度が患者によって異なることや逆に象牙質石灰化亢進が見られる症例が見出されていることなどから、Tbx1以外にも歯の硬組織形成異常の発症を制御する遺伝子の存在が考えられる。本研究より、Slc25a1、Dgcr2などにその可能性を見出した。
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