ヘリコバクターピロリ菌の保有するCagAは癌性蛋白質として知られており、そのC末端領域にはEPIYA配列という特徴的なアミノ酸変化が存在し、EPIYA-DとEPIYA-Cに大別される。次世代シーケンサーを用いて、cagA遺伝子に共通する一塩基多型やアミノ酸変化がないかを調べた。用いた菌株は24株で、参照標準菌株に対し、EPIYA-D群20株では57個の共通した一塩基多型と36個のアミノ酸変異を認めた。そのうち、18個のアミノ酸変化はヒト細胞内膜と電気的に結合するドメインⅡ領域に多く存在した。2種の変化に関してはEPIYA-D群全てにおいて存在し、1種の変化は対象菌株全てにおいて認められた。
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