研究課題
次世代の放射線治療であるマイクロビーム放射線治療では、ミクロの並列平板構造を持つX線ビームが用いられる。また、ビーム中心線量は数百Gyを超え、その線量の空間分布計測には高い線量への感度および数マイクロメートルの空間分解能の両者を有する計測技術が必要とされる。我々はSmによるラジオフォトルミネッセンス(RPL)を用いた高精度なマイクロビームの計測手法を開発した。SmによるRPLとは、放射線照射に誘起される蛍光体中で生じるSmイオンの価数変化を指す。本研究では酸化物、塩化物、フッ化物および臭化物による10種類を超える異なった材料においてSmによるRPLを検証し、新規材料の可能性について考察した。なかでも、NaCl中においては顕著なRPLが確認され、マイクロビーム放射線治療で用いられる5-1000 Gyの線量域において線形な応答が確認された。また、RPLとして発現したSm2+は5d-4f遷移によるものであり、蛍光寿命が短くレーザー走査読み取りの高速化が期待できる。また、生体等価性が高く生体吸収線量を計測する上で理想的な材料と言える。一方で、本研究で得られた単結晶材料は亀裂を多く含み光透過性が低い為、高い空間分解能で読み取る事が困難である。従って、今後の実用化に繋げるためには、品質の高い材料合成手法の検討が必要になると考えられる。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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