本研究では、空項の中でも空主語現象に焦点を置き、上級日本語を外国語・第二言語として習得する英語母語話者30名、中国語母語話者30名、韓国語母語話者30名の計90名と、統制群としての日本語母語話者30名を対象に、空主語の認識と生産に関する実験調査を行った。調査の結果、認識に関しては、英語・中国語母語の二つのグループが日本語母語統制群と比べて有意差があったが、生産に関しては、文の種類によって英語・中国語・韓国語母語のそれぞれのグループで統制群との有意差が観察された。これらは、Miyagawa (2017)の一致素性の類型論やBaker (2008)のマイクロパラメータにより説明できると考えられる。
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