本研究では、アトピー性皮膚炎(AD)に定着する黄色ブドウ球菌(S. aureus)が、どのような皮膚の免疫反応を誘導するのかを検討した。S. aureusの標準株(NCTC8325)およびAD患者の皮膚より分離したAD株(TF3378)を用いて、末梢血単核球由来のランゲルハンス細胞(MoLC)とT細胞の反応を解析した。AD株で刺激されたMoLCは、より多くのT細胞の増殖を誘導し、さらにT細胞からのTh1サイトカイン(IFN-γ)の産生を減少させた。T細胞のmRNAではTh1/Th2比が減少していた。S. aureusのAD株は、標準株とは異なるLCを介した免疫反応を示すことが明らかとなった。
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