研究課題/領域番号 |
15H06434
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
末松 美玲 広島大学, 大学病院, 歯科診療医 (10760415)
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研究期間 (年度) |
2015-08-28 – 2017-03-31
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キーワード | オートファジー / P62 / 口腔癌 |
研究実績の概要 |
(1)オートファジー誘導による口腔癌細胞のインテグリンαv発現と増殖能及び浸潤能の変化の検討 オートファジー誘導には,mTOR阻害剤であるラパマイシンを用い,ラパマイシンによるオートファジー誘導の確認はオートファゴソームの膜タンパクであるLC3発現を解析することで確認した.さらに,オートファジー誘導薬剤であるラパマイシンが,口腔扁平上皮癌細胞のインテグリン発現と増殖能と浸潤能に与える影響について解析した.ラパマイシンの影響によると考えられる癌細胞の増殖減少を認めたため解析は困難であった.今後ラパマイシン濃度の調整と培地の調整を行い解析を進める予定である. (2) mammalian two-hybrid法を用いたp62とインテグリンαvの複合体形成の検索 扁平上皮癌細胞における,p62とインテグリンαvの複合体形成について解析するため,扁平上皮癌細胞内にGAL4 DNA‐Binding Domain Cloning VectorであるPM(spelloutすること)にp62遺伝子を導入したp62-PMと,Activation Domain Cloning VectorであるpVP16にインテグリンαvを導入したαv-pVP16,及びReprorter VectorであるpG5SEAPを導入したが,p62-PMによるP62発現の明らかな増加を認めなかった.今後再度遺伝子導入を行い,p62とインテグリンαvの結合を解析する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
(1)オートファジー誘導による口腔癌細胞のインテグリンαv発現と増殖能及び浸潤能の変化の検討 オートファジー誘導には,mTOR阻害剤であるラパマイシンを用い,ラパマイシンによるオートファジー誘導の確認はオートファゴソームの膜タンパクであるLC3発現を解析することで確認したが,ラパマイシン投薬が原因と考えられる癌細胞の生存率低下が起こっている.他剤への変更や,投与時間,投与量,基礎培地等の変更により実験方法を見直す必要があると考えられる. (2) mammalian two-hybrid法を用いたp62とインテグリンαvの複合体形成の検索 P62過剰発現を認めなかったことから再度施行する必要があると考える.
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今後の研究の推進方策 |
(1)オートファジー誘導による口腔癌細胞のインテグリンαv発現と増殖能及び浸潤能の変化の検討 再度実験条件について検討し,施行する予定である. (2) mammalian two-hybrid法を用いたp62とインテグリンαvの複合体形成の検索 再度GAL4 DNA‐Binding Domain Cloning VectorであるPM(spelloutすること)にp62遺伝子を導入したp62-PMの作成並びにp62とインテグリンαvの結合を解析する予定である.
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