マウス着床後胚において始原生殖細胞は、胚体外外胚葉から分泌されるBmp4シグナルによって一部のエピブラスト細胞が運命決定されて出現する。Bmp4下流のシグナル伝達経路は比較的良く解析されているものの、上流カスケード、即ち、胚体外外胚葉におけるBmp4遺伝子発現のメカニズムはほとんど明らかになっていなかった。本研究では、Bmp4遺伝子が核内受容体型転写因子Esrrbの直接的標的因子であることを見出した。また、新規に樹立した遺伝子改変マウスの解析から、EsrrbによるBmp4遺伝子発現制御の破綻は、着床後胚における始原生殖細胞の形成不全をもたらし、成獣期の妊孕性の低下に繋がることを示した。
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