研究実績の概要 |
口腔内構成細胞にスタチンを作用させた際の細胞動態に対する詳細なメカニズムを評価することを目的として、RT-PCRを用い、線維芽細胞におけるGタンパク関連シグナルレセプターの遺伝子発現のスクリーニングを行った。 RT-PCRの結果によると、線維芽細胞の組織への浸潤に関係するLPAレセプター1や、CTGF, FGF-2などの細胞の活性に関係する遺伝子の増加が認められ、また、Gタンパク共役受容体の活性を制御するarrestinの遺伝子の減少やMAPKのネガティブフィードバックとして働くdual specificiity phosphate14の遺伝子発現も減少したことから、本解析においてフルバスタチンによって線維芽細胞の増殖や移動が促進されたと考えられる。骨芽細胞・口腔上皮細胞に関しては、手技・細胞培養温度の違いにより実験が行えていないため、本年度も継続して実験を継続する予定にしている。 細胞実験が遅れている分、28年度行う予定にしていた動物実験の一部を27年度に行った。 スタチンのインプラント周囲組織に与える影響について検討を行うため、実際にラット口腔内にインプラントを埋入し、近傍にPLGA-フルバスタチン複合体を投与することによって、インプラント-骨接触率を評価した。結果として、インプラント埋入直後にPLGA-フルバスタチン複合体を近傍投与することによって、インプラント-骨接触率が増加することを確認した。
|